戦後の日本
の教育に二元論(○×式教育)が導入されたことをお話しましたね。
かなり反響があったので、今日は続きのお話をしてみたいと思います。
1961年、第35代アメリカ大統領に就任したジョン・F・ケネディに、
日本人記者団から次のような質問が出ました。
「あなたが最も尊敬する日本人は誰ですか?」
ケネディは答えました。
「上杉鷹山 」
その時、日本人記者団のほとんどが、上杉鷹山のことを知らなくて恥をかい
たのです。
上杉鷹山については、戦前は、学校教育の中でしっかり教えられていました。
ですから、戦前の教育を受けた人は上杉鷹山のことをよく知っていたのです。
しかし、戦後の教育では、あまり教えられなくなったのです。
ですから、戦後の教育を受けた人の多くは、
「名前を聞いたことがある程度で、どこで何をやった人なのかわからない」
という状態だったのです。
そして、バブルがはじけた後の日本では、再び有名になりましたね。
経営を立て直さねばならない経営者たちにとって、財政危機に陥った米沢
藩を立て直した上杉鷹山は、非常によいモデルになったのです。
上杉鷹山のことを書いた本もたくさん出ました。
戦前は、教育の柱として、徳育(=人格教育)が非常に重視されました。
そして、上杉鷹山はじめ二宮尊徳、新井白石、山岡鉄舟、平重盛など、
人格的に優れた人物の生き方を、子どもたちは学んでいました。
ところが戦後すぐに、徳育が重視されなくなり、知育偏重に変わりました。
歴史についても暗記教育にすり替えられてしまったのです。
「平安遷都はいつ?」「頼朝が鎌倉幕府を開いたのは何年?」など、出来事
と年号を覚えることに教育時間が費やされるようになってしまいました。
これらを暗記することが、子どもたちの将来にどのように役に立つのかは、
ちょっと疑問ですね(^_^;
そして、勤勉、節約、孝養、信義、勇気などのモデルとなる人物の生き方に
ついて、時間をかけて教えられることがなくなったのです。
詳しくは、「戦後教科書から消された人々」(涛川栄太 著、ごま書房)という
本に書いてあります。
戦後GHQが実施した日本の占領政策には、日本を後々までコントロール
しやすい国にするための政策として、日本人愚民化政策というのがあった
そうです。
その政策の中で重視されたのが、教育です。
教育によって、日本人を、金儲けと娯楽にばかり興味を持つ愚民にすること
ができれば、政治的にコントロールしやすい国になるわけです。
そのためには、教育を通じて、個人主義(=自分さえよければよい)を植え
付け、国や家族を愛する心を失わせる必要があったのです。
ですから、日本的美徳を備えた人物の生き方を学ばれては困るというわけで
す。
GHQは、1946年に「教科書閲覧の基準」を発令し、それまで教えられて
いたことの多くを徹底的に排除しました。
1947年に制定された教育基本法も、GHQの指導の下で作られました。
また、GHQのアメリカ教育使節団の勧告によって、国語教育における仮名
づかいが改革され、日本人は、新しい仮名づかいによって教育されるように
なりました。
その結果、日本人の多くは歴史的仮名づかいが読めなくなり、日本の伝統的
文化を伝える古典にも興味をもてなくなったのです。
(GHQの計画の中には、漢字を廃止するという案までありました)
アメリカの、ある大学教授の言葉です。
「いろいろな国の学生たちに接して、『あなたの国の文化の素晴らしい
ところはどこですか?』と聞くと、どの国の学生も胸をはって答える。
ただ、例外は日本人学生だ。日本の学生の多くは『よくわからない』
とか『興味がない』と答え、私は何度も驚かされた。」
さて、GHQの戦略どおり、われわれ日本人は個人主義化し、愚民化して
しまったのでしょうか?
世界青年意識調査(第4回)の結果を見てみましょう。
「年老いた親は、どんなことをしても養う」と答えた青年の比率は、
アメリカ 52.0%
フランス 55.5%
韓国 69.4%
日本 25.4%
続いて、「自分の国に役立ちたい」と思っている青年の比率は、
アメリカ 81.1%
フランス 54.8%
韓国 87.4%
日本 41.0%
今こそ、知識偏重の暗記教育を見直す必要がありそうです。
日本の国を築いてきた祖先たちの生き方から学ぶこともたくさんあるはず
ですね。
ビル・トッテン氏も次のように言っています。
「日本人よ、マッカーサーのマインドコントロールから目覚めよ!」
by野口