EQ能力の中でも非常に重要なのは○○能力
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三十年以上前のお話です。
かつて、森繁久弥さんが、目の不自由な子どもたちの学校を慰問した
ことがあるそうです。
テレビの生中継の番組だったそうです。
子どもたちを前にして、森繁久弥さんは「7つの子」を歌ったそうです。
「カラス、なぜなくの~」
そして、二番の歌詞になりました。
「山の古巣へ行ってみてごらん~」と歌って、
そこでパタッと歌を止めたそうです。
生中継ですから、テレビ局の関係者はドキッとしました。
「森繁さんは、歌詞を忘れたんじゃないか?」
一呼吸おいて森繁さんは歌いました。
「まあるい顔した、いい子だよ~」
目の不自由な子どもたちを前にして、
「まあるい目をした、いい子だよ」と歌わずに、
一瞬、子どもたちの気持ちを考えて歌詞を替えたのです。
相手の立場になって、相手の気持ちを理解する能力。
これを「共感能力」といいます。
EQの重要な要素のひとつです。
共感能力が高まると、相手の立場になって相手を理解できるようになります。
また、他人の幸せや成功を自分ごとのように喜べるようになり、人生が
ホットニュースでいっぱいになります。
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■ 子どもを受け入れることができない妻
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このコーナーは、皆さんからいただいた質問に対して、私の考え方を
ご紹介するコーナーです。
今日のご質問は、岐阜県のマッキー・パパさんからのご質問です。
「私には、小学校の2年生と4年生と6年生の子どもがいます。
心理学や子育ての本を読むと、『子どもは受容的に育てることが大切』
と書いてあります。
子どもの気持ちを受けとめたり、子どもの話をさえぎらずに聞いてやる
ことが大切だと書いてあります。
私自身は、かなりできていると思います。
ところが、私の妻は、子育てでイライラしていることが多く、よく子ども
の人格を否定するようなことを言うのです。
妻は、子どもに八つ当たりされるのが嫌みたいで、最後にはキレて、
『あなたの顔をみたくない。あっちに行って!』などと子どもに言って
しまいます。
子どもの心に傷ができてしまわないか心配です。
妻には、子どもとの接し方を変えてほしいと思います。
妻に心理学の本なども見せながら、子どもを受け入れることの大切
さを教えているのですが、しかし、まったく変わりそうにありません。
子育てのことで夫婦喧嘩になることもしばしばです。
野口さんでしたら、どう考えますか?」
マッキー・パパさんは、お子さんが心の傷を受けてしまわないか、心配され
てるのですね。
マッキー・パパさんの愛情の深さが伝わってきます。
奥さまに対しても、「いい子育てをしてほしい」と思われているのですね。
さて、私がマッキー・パパさんの立場にいたとしても、やはり、
「妻には、変わってほしい」 と願うと思います。
そんな私が、心理カウンセリングを学んだ時に、衝撃的な言葉に出会い
ました。
『変えようとするな、解かろうとせよ』
心理カウンセリングで、次のようなことを学びました。
相手を変えようとすればするほど、相手は、
「自分は受け入れられていない。自分は理解してもらってない」 と感じるの
で、よけいに自分をガードし、変わるまいとする。
それから私は、相手を受け入れる修行(?)を始めました。
今も、まだまだ未熟なレベルですが(^_^;
さて、マッキー・パパさんは、奥さまにどんな子育てをしてほしいと願っ
ておられますか?
奥さまが子どもさんたちに、どのような接し方をされるのが理想だと思
いますか?
さて、ここからは、私の個人的な考えです。
一番の近道は、奥さまにやってほしいことを、まずマッキー・パパさん
自身が、奥さまに対してやってあげることだと、私は思います。
奥さまに、子どもたちを受け入れてほしいのでしたら、マッキー・パパ
さんが奥さまを受け入れてあげることが、一番影響力があることだと
思います。
私にとっては、これがけっこう難しい時もありますが・・・(^_^;
奥さまを受け入れるというのは、子どもに対してイライラしてしまう奥さま
のお気持ちや、子どもに対してキレてしまう奥さまのお気持ちを、無批判
に聴いて、受けとめてあげることです。
そして、「そうか、そんなときに腹が立つんだね」と、共感的理解を示す言
葉を返してあげることも、おすすめです。
奥さまにとって、「受けとめてもらえた。理解してもらえた。」という体験が
蓄積されると、それがこんどは、お子さんたちを受け入れる余裕に変わっ
ていくものと思います。
以上は、私の個人的な考えです。
ご参考になれば幸いです。
by野口